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旧 笹山日記

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笹山縄文カレッジ ベンガラ染めTシャツ作り
先日の日曜日に「ベンガラ染めTシャツ作り」を開催しました。

運営はもちろん、いおサポさん。

嬉しいことに、いただいたお申込みが申込受付開始直後に定員に達したので、工夫して受け入れ可能な体制を作ってもらい、結局20人くらいの方にお越しいただくことになりました。子どもさんもたくさん来てくれて、こんなに賑やかになったカレッジは久しぶりです。

さて、縄文人も愛した「ベンガラ」は、天然の赤色顔料です。科学的には酸化第二鉄、つまりは鉄サビでして、鉄分を多く含む岩石や土から採取されます。

驚くのは、この地域ではこのベンガラのカタマリが遺跡から出てくることが珍しくないということ。珍しくないので、あんまり気に留めないのですが、他の地域に行くと大学の先生や各地の学芸員でも「聞いたことが無い」と言うほど稀少品で、あの国宝「新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器」の付属品メンバー(「つけたり」といいます)に入っていたりします。その名もベンガラ塊(かい)といいます。

国宝・ベンガラ塊。

知られざる国宝です。

この国宝ベンガラ塊は国宝に指定されたものの、実は成因がよく分かっていませんでした。単なる「石」なのか、「サビを集めて固めたもの」なのか、それともそのどちらでもないのか。非常に気になるところ。だから最近の発掘のあと、さっそく分析を行ってみました。結果、出てきた答えは〜


デケデケデケデケ・・・・


チン!


原石でした。


もしもともと遺跡の土に含まれているものならもっと沢山あってもいいと思いますが、見つかるのは数十点程度です。どこか近くにある原産地から持ち込んだものだと思います。

縄文人はベンガラが好きでした。「赤が好き」というのが正確かもしれませんが、土偶はもちろん、土器や漆器、耳飾や腕輪にまで塗っていたことがわかっていて、この調子じゃきっと衣料や化粧にも使っていたんじゃないかと想像できます。

ベンガラでぬられた土偶や土器などは見たことがあります。でもベンガラで衣料を染めてみるとどんな色調になるだろう?これも気になるところです。今回はとっつきやすいTシャツを染めることになりました。

先生に染色の基本を教わりながらみなさん染の作業を楽しくされていました。見ているこちらも楽しかったです。

染めて乾かしてみると・・・・興味深いことに、赤茶色のサビ色ではなく、紫がかった薄いピンク、という感じになりました。やっぱやってみないとわからないですね。実験考古学です。

出来上がったTシャツは、いい味わいのものばかり。みんな違う、個性の光る逸品。みなさん笑顔でお帰りになりました。

調査員

(2019年05月24日)

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