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HAKKAKE展示 越中富山の置き薬

HAKKAKE展示

越中富山の置き薬

日時

令和3年8月4日(水)~10月4日(月)

会場

十日町市市民交流センター 分じろう HAKKAKE(文化歴史コーナー)
(新潟県十日町市本町2丁目226-1)

内容

HAKKAKEの第27回の展示物は、昭和年間前半(1925-1960年)の置き薬とその箱です。

置き薬(おきぐすり)とは、江戸時代の越中国(いまの富山県)で作られていた反魂胆(はんごんたん)という良薬を行商が売り歩いたことに起源(のひとつ)があるとされてます。すぐに手に入らないことから、次第に各家庭に常備しておく「置き薬」になったようです。使わなかった薬は無料で交換してくれるサービスがあり、現在でも続いています。

この展示物は、十日町市博物館に2004年(平成16年)に収蔵されたもので、驚いたことに、実際に使っていた(使いかけの)薬が入っています。セメン圓、モダンパス、救命丸、三光丸、全癒膏などといった当時の家庭薬のほか、樹皮(キハダか)や、木の枝、ヤスリ代わりの魚皮も入っています。製薬会社の薬品と民間療法は隣りあわせだったのです。

時代を感じる薬と言えば「セメン圓」が特にそうでしょうか。これはいわゆる「むしくだし」で、寄生虫である「回虫」を麻痺させて排出するための薬です。特に戦後の困窮期には国民の大多数が回虫に感染していたとされ、ほとんどが「むしくだし」を飲んだ経験がありました。

いまではあまり見なくなった置き薬を通じて、現代の衛生環境が格段に良くなっていることや、ドラッグストアが町のそこここにあるために置き薬自体がなくなりつつある変化を、改めて感じることができるでしょう。是非ご覧ください。